優しきゴッホ
2016年 10月 31日

優しそうなゴッホです。
久しぶりに上野の東京都美術館に行きました。「ゴッホとゴーギャン展」。ピサロ、モネ、ロートレックもありましたが、一番気に入ったのがこれでした。
明るい色彩、軽やかな筆致。ちょっと見開いたような目線に親しみを感じて、思わず見入ってしまったのです。40点近くあるといわれる自画像の中で、おそらく最も気分よく、安定した精神状態で描かれたものと思います。ゴッホ34歳。耳切り事件のあとピストル自殺する3年前でした。
これを描いたあとゴーギャンとの共同生活に入り、そして分かれ、精神に異常をきたしながら次々と代表作を描き続けました。それにしてもなんと濃密な数年間。晩年に近づくにしたがって絵はますます色彩鮮やかに、クリアになっていくように感じます。
この「パイプと麦わら帽子の自画像」は、嵐の前の静けさなのかもしれません。もう一度、ゆっくり観てみたいな。 (ゆ)
by フジグリーン・メグ
スリノキネット
by megusurinoki-net | 2016-10-31 13:15 | コラム