天敵との闘い
2018年 03月 30日
メグスリノキです。根元をよーくご覧ください。赤みがかった木屑のかたまりがお分かりでしょうか。天敵ゴマダラカミキリの糞と喰いカスです。この色合いからすると、比較的最近のもの。もう喰いはじめたかと思うとがっかりです。
カミキリムシは漢字で書くと「髪切り虫」。枝にたかってギリギリと樹皮を喰い進む成虫は、ヒトの髪さえ噛み切るといわれます。また成虫となって樹幹から飛び出すとき、鉄砲玉ほどの穴を作ることから、テッポウムシとも呼ばれています。
このオレンジがかった木屑を出すのは幼虫です。おそらく去年の6-7月頃産み付けられ孵化した幼虫が、すでに形成層から木質部に食い入っているのでしょう。この幼虫は羽化して成虫になるまで、およそ2年かかるといいます。その間ずっと喰われ続けるのですからたまりません。「一匹の虫が与える被害としては最大級の害虫」といわれるゆえんです。
この天敵とは20年来の闘いを強いられてきました。こいつらのために、年平均30-40本が枯死の憂き目にあってきました。じつに1,000本近い若木が犠牲になった勘定です。
根元に糞や木屑を見つけたら、とにかくやっつけなければなりません。この時期、お春さんは先の尖った火箸と針金で幼虫がたどった跡をほじくり、駆除に明け暮れる毎日です。全滅させることは不可能ですが、一匹でも多く駆除すれば被害はそれだけ少なくてすみます。なんと根気の要る仕事か。しかし怠るわけにいきません。
この害虫の天敵は、アカゲラやクマゲラといったキツツキ科の鳥だそうです。が、この辺りで見たことはありません。もっと深い森にいるのかな。メグスリノキのこの林に、巣を作ってくれないかなあ。(ゆ)
by megusurinoki-net | 2018-03-30 21:13 | メグスリノキ