天敵との闘い

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メグスリノキです。根元をよーくご覧ください。赤みがかった木屑のかたまりがお分かりでしょうか。天敵ゴマダラカミキリの糞と喰いカスです。この色合いからすると、比較的最近のもの。もう喰いはじめたかと思うとがっかりです。

カミキリムシは漢字で書くと「髪切り虫」。枝にたかってギリギリと樹皮を喰い進む成虫は、ヒトの髪さえ噛み切るといわれます。また成虫となって樹幹から飛び出すとき、鉄砲玉ほどの穴を作ることから、テッポウムシとも呼ばれています。

このオレンジがかった木屑を出すのは幼虫です。おそらく去年の6-7月頃産み付けられ孵化した幼虫が、すでに形成層から木質部に食い入っているのでしょう。この幼虫は羽化して成虫になるまで、およそ2年かかるといいます。その間ずっと喰われ続けるのですからたまりません。「一匹の虫が与える被害としては最大級の害虫」といわれるゆえんです。

この天敵とは20年来の闘いを強いられてきました。こいつらのために、年平均30-40本が枯死の憂き目にあってきました。じつに1,000本近い若木が犠牲になった勘定です。

根元に糞や木屑を見つけたら、とにかくやっつけなければなりません。この時期、お春さんは先の尖った火箸と針金で幼虫がたどった跡をほじくり、駆除に明け暮れる毎日です。全滅させることは不可能ですが、一匹でも多く駆除すれば被害はそれだけ少なくてすみます。なんと根気の要る仕事か。しかし怠るわけにいきません。

この害虫の天敵は、アカゲラやクマゲラといったキツツキ科の鳥だそうです。が、この辺りで見たことはありません。もっと深い森にいるのかな。メグスリノキのこの林に、巣を作ってくれないかなあ。(ゆ)

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# by megusurinoki-net | 2018-03-30 21:13 | メグスリノキ | Comments(0)  

きみはともだち

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メグスリノキの植え替えをするので、ユンボを畑に移動した。

「パワーショベル」「バックホー」なんて名称はあるけれど、みんな「ユンボ」と呼ぶ。その由来はフランスのメーカー(ユンボ社)の商品名にあるらしい。呼びやすいし、親しみがある。

もう20年来のつき合いだ。あちこち傷んでしまったけれど、それも積み重ねてきた仕事の勲章。こうして眺めると、年季が入ってなかなか貫禄があるじゃないか。

山の林道を広げるときは活躍してくれた。2t車が通れるようにと、岩盤混じりの斜面を削りながら進んだ。おかげでバケットの爪もずいぶん丸くなった。キャタピラが外れてしまったときは往生したなぁ。その頃からか、運転席にいて、両手の動くままにアームや車両が動いてくれるような感じがあった。そのときから、君と友だちになったんだ。

ナラやクヌギに追い込まれたメグスリノキ(樹齢20年)を掘り上げ、日当たりのいい所に植え替える。肥やしを伏せて土をかぶせる、つーちゃんの仕事ぶりがいい。風に吹かれて、木々も僕らもいい気分だ。これで食べていければ言うことなし、なんだけどな。 (ゆ)

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# by megusurinoki-net | 2018-02-28 19:51 | メグスリノキ | Comments(0)  

待つ、ということ

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1週間前の雪が解けずに残っている。

「うー、さぶっ」。家で、会社で、そして畑で何度うめいたことか。


工場では連日遅くまで残業。ひどい時は二交代で夜の10時まで仕事しないと(納期に)間に合わない日が続いた。60も半ばを過ぎた社長など、土日の休みもなく深夜まで作業。暇な時と忙しい時を自力ではままならない中小零細企業の宿命か。しかし生き残っていくためには、どんなに苦しくともやらなければならないときがある。鬼のような寒さの日々を、ひたすら耐えるのである。


A型インフルエンザで6日間、出社禁止の憂き目にあった。高熱で妄想にうなされ、ヘルニアの痺れもぶり返した。ようやく熱が下がり、手にした本があった。アイザック・B・シンガーの『ショーシャ』。まだもうろうとした頭でも読み進むたび味の出る、スルメのような本だった。


ショーシャはワルシャワの貧民街クロホマルナ通りに生まれた少女。知恵遅れで発育不良で、かつ美しい。幼なじみの主人公「私」は少年の頃、すでに彼女への永遠の愛を誓っている。


やがてワルシャワを出て物書きになった「私」は20年後、再びクロホマルナ通りに戻ってくる。そこにショーシャがいた。20年前とほとんど変わらない姿で。「ショーシャは成長もしていなければ年をとってもいなかった」。


二人は結婚する。しかし。もう間もなくヒトラーがやってくる。「私」はショーシャがクロホマルナ通りから引き離されたら、水を失った魚のようにたちまち死んでしまうのを知っている。そしてワルシャワに留まるが….


戦争は終わり「私」はニューヨークにいて、またワルシャワに旅立つ。ショーシャはどうなったか。それはとても言えない。ラストで「私」は待ち続ける。何を? ショーシャを? 希望を? 何かが起こると信じているかのように。


アイザック・シンガーは1978年ノーベル文学賞を受賞、イディッシュ語作家という。イディッシュ語とは東欧に流浪したユダヤ人たちの言語で「権力の座にある人々によって決して用いられたことのない世界でただひとつの言語かもしれない」と、シンガーは言っている。(辻原登『熱い読書 冷たい読書』より)


寒波が過ぎるまで、じっと待つことにしよう。いい知らせが降ってくるかもしれないから。(ゆ)

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# by megusurinoki-net | 2018-01-30 21:20 | メグスリノキ | Comments(0)  

忘れられしもの

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なんとまあ、残酷な....。モズの早贄(はやにえ)というやつか。
獲物はカエルだった。干涸らびているところをみると少なくとも数週間たっている。稲刈りが終わった田んぼにいて捕まっちまったのか。

なにもメグスリの芽に突き刺すことはないだろう。これじゃあ春になって芽吹くこともままならねえ。このままにしておくのもいい気持ちがしないので、畑に埋めてやった。合掌。

それにしても、どうしてこんなことをするんだろう。餌の備蓄、本能、縄張り表明など諸説あるけれど、本当のところは分からないという。

こんなのに出くわすと、獲物をこれ見よがしに突き刺しておくやつの印象は誠に良くない。時としてシジュウカラなど、同じ野鳥さえ犠牲になるという。どうせなら夏に来て、メグスリの天敵ゴマダラカミキリを早贄えにしてほしい。そしたら仲間に入れてやるんだが。

けさの朝刊で、葉室麟が亡くなったのに驚く。『いのちなりけり』に目薬の木が出て来るので近しく読んだ。『蜩の記』には泣かされました。合掌。 (ゆ)


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# by megusurinoki-net | 2017-12-25 00:41 | コラム | Comments(0)  

紅葉の終わり

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わずかに残る紅葉です。こんなのも風情があっていいのかも。
すっかり葉が落ちると、一年の納め。木々は眠りに入ります。ひっそり静寂に包まれるこれからのひと月が気に入って、ここに来るのが好きになりました。年をとったせいかなあ。

風のない小春日和の朝など、空気も澄んでいい気持ちです。シジュウカラやヤマガラのさえずりが聞こえると、つい立ち止まって見上げます。落ち葉を踏む音さえ邪魔になりそうで。

野鳥は小さいのがいいなあ。ヒガラやゴジュウカラもいそうだけれど、小生には識別出来ません。ツツピー ツツピー!を聞いていると心が洗われるようだし、敏捷極まる動きは木々の小枝によく似合う。

さあてデジカメも新調したことだし、冬の休日はあのさえずりを聞きながら、見事撮れるよう何回も通いますか。(ゆ)



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# by megusurinoki-net | 2017-11-28 22:51 | メグスリノキ | Comments(0)