川は流れる

e0148806_1604565.jpg


早朝6時30分。まだ日の射さない川岸で、黙々と草むしりをしています。一人、一人と岸に下りて來るたび「おはよう」「ご苦労さん」「遅れてごめんよ」の声が響きます。

栃木市の旧市街を南北に流れる巴波川(うづまがわ)の清掃。ひと夏3回、市の恒例行事で、もう24年のつき合いです。一応、朝7時集合となっていますが、元気なお年寄りは30分も前から鎌を手におしゃべりを始めます。ここに越してきた頃は、その気配で目が覚めました。川の流れと鳥のさえずりが、寝床から聞こえてくるんです。

この川掃除を、いやだなと思ったことはありません。草むしりは得意ですし、大抵は見慣れた顔で、冗談ばかり。
「ゆたかちゃん、将棋指しに来なよ。弱いのばっかしじゃつまんねえよ」と、50ン年前のガキ大将。
草をむしっているときは無心です。汗をかけば爽やかで、朝飯もうまい。

e0148806_16271352.jpg


メグスリノキの葉陰からの巴波川です。お掃除されて、さっぱりしました。
この木は亡き父が10年前に植えたものです。よく見ると、たわわに種を付けています。
ゴッホの絵みたいに種蒔けば、次代に向かって芽吹くかなぁ。(ゆ)

by フジグリーン・メグ
スリノキネット

# by megusurinoki-net | 2017-09-30 16:41 | コラム | Comments(0)  

ゆるゆる復帰

e0148806_23282418.jpg


あれから二カ月たつ。魔女はいつの間にか去ったけれど、ずいぶんダメージを残していった。右膝に力が入らず、脛に今もしびれが残っている。階段の上り下りが、ややしんどい。

医師の勧めでMRI検査を受けた。わずかに1カ所、ヘルニアが見つかった。それが神経を刺激し、痛みやしびれを起こしているという。「ひと月、服薬で様子を見ましょう。それでもしびれが残るようなら削りましょうね」。研修医ふうのお姉さんはサラリと言った。それから3週間たつけれど.....。

しかし怖がってばかりいられるか。雑草の伸びは待ったなしだ。草刈り機のエンジンをかけ、恐る恐る担ぐ。長靴に皮手、麦わら帽子を被ると、身体がしゃんとする。踏ん張らずにすむ平らな所を1時間ほど刈った。いけるじゃないか。しかし無理は禁物。雨も降ってきそうだし、このくらいにしておこう。

というわけで、おっかなびっくりの現場復帰となりました。これから徐々にペースを上げていきます。

行きつけの整骨院の先生は、こう言ってくれました。
「少しずつ、少しずつ良くなっていきますよ。ヘルニアは、いつの間にかへこんだり、ポロッと取れたりすることもありますから」

当面は、その言葉に期待してみるか。 (ゆ)

by フジグリーン・メグ
スリノキネット

# by megusurinoki-net | 2017-08-31 00:01 | メグスリノキ | Comments(0)  

魔女の一撃

e0148806_9545959.jpg


それは突然に来た。
注文のあった苗木2本をポットに採り、軽トラに乗せようとかがんだときだった。チクリ、と右の腰に来た。いつものことだと思ったが、痛みは俄に激しくなり、歩けなくなった。

今まで経験したことのない痛みだった。ぎっくり腰。「魔女の一撃」と言うらしい。
「3日は安静。硬い布団で横向きに寝てなさい」と医者に言われ、その後、ブロック注射を2度受けた。あれから3週間になるのに、まだよろよろ歩き。15分も歩くと尻や脛がしびれ、立っていられなくなる。

なんと情けないことだろう。この暑さで草はぼうぼう。草刈り機を回すどころか、草の生えている畑まで歩いて行くのさえおぼつかない。炎天下、独りつーちゃんが刈っているのに、何の手助けも出来ない。

痛みが引くまで、じっとしているしかないのが辛い。藤沢周平の文庫本はもう6冊目だ。相撲もよく観た。横綱白鵬の蹲踞の姿のなんと美しいことか。

普通に歩けること。普通に草刈りが出来ること。いつも通りに仕事をし、よく食べよく飲み、疲れれば深く眠り、気持ちよく朝を迎える。ただそれだけのことがなんと有り難く大切なことか。腰をやられて初めて分かりました。今回の、それが唯一の収穫。

魔女よ、もう許しておくれ。(ゆ)

 by フジグリーン・メグ
スリノキネット

# by megusurinoki-net | 2017-07-23 10:26 | コラム | Comments(0)  

萌芽の勢い

e0148806_20403546.jpg


梅雨真っ盛り、蒸し暑さ120%の日々。人間はうなだれていても、草木はいま成長の最盛期を迎えます。
メグスリノキの、この萌芽はどうでしょう。春先に芽吹いた芽が、3ヵ月でこの勢い。産毛を残しているものの、柔らかい葉を広げ空に向かって50㎝は伸びています。

萌芽。草木の芽のもえ出ること、と辞書にあります。新しい物事が起こり始めること、そのきざし、とも。まったくその通り。こんな勢いでなくてもいい、僕たちもあやかりたいものです。

e0148806_21162534.jpg


この時期、畑にはいろんなのがいます。たった一匹、巣作りに飛び回る真っ赤なスズメバチ。この辺りで「目回り」と嫌がられる藪っ蚊。アオダイショウ、ヤマカガシ、たまにマムシも。いろんなのがいていい、と言うしかありません。そんなのと折り合いをつけて、メグスリノキを育てるのが僕たちの仕事です。

せっかくの肥やしを雑草に吸われないようにと、今日もお春さんは除草作業に精を出します。苗木の中のお春さん、分かりますか? マムシには気をつけて。 (ゆ)

by フジグリーン・メグ
スリノキネット

# by megusurinoki-net | 2017-06-28 21:47 | メグスリノキ | Comments(0)  

発芽当たり年

e0148806_2052579.jpg


この春発芽したメグスリノキ1年生です。芽を出してからひと月たっているでしょうか。二枚葉を広げて、元気そうです。

これは播いた種ではありません。おそらく一昨年の晩秋、自然に落ちた種から発芽したもの。辺り一面、かなりの密度で芽を出しています。これほどの数で自然発芽するのは近年記憶にありません。

e0148806_2194671.jpg


発芽したばかりの苗の根は、まるでもやしのよう。20年来のベテラン、お春さんが慎重に掘り上げます。土を付けたまま、そっとポットに移し、その日のうちに苗床に移植してやります。

お春さんは半月も前から、発芽した苗を見つけては傍に目印の枝を立て、掘り上げる段取りを付けていました。午前中に掘り、午後は苗床に移植する。二人で2日がかりの仕事でした。乾燥しないよう、根元に落ち葉(これもメグスリノキ)を伏せてようやく終了。植え終わった苗床を振り返り、「見事だねぇ」とお春さんはつぶやきました。

e0148806_21423225.jpg


実生の苗木が育つ苗床です。1年生から3-4年生の幼木1200本ほどが育っています。周りはネットで囲ってあるので、イノシシにやられることはありません。さて秋までどれくらい大きくなるか、頼みますよ。 (ゆ)

by フジグリーン・メグ
スリノキネット

# by megusurinoki-net | 2017-05-13 21:58 | メグスリノキ | Comments(0)