出荷前

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子どもらが、なんか眠ってるみてえだ。お天道様が出始めたんで、ようやく眠りから覚めつつあるような。起きたらびっくりすべえ。いきなり掘り起こされて、身動き出来ねえくれえに並ばせられちまったんだもなあ。

しかし、素性はすこぶるいい。小さい頃から面倒みてきたおいらが言うんだから間違いねえ。肌といい枝ぶりといい、どこに出しても恥ずかしかねえ。おう、堂々と世間を渡っていきねえ。悪い虫には気を付けるんだぜ。

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というわけで、これは出荷前の苗木です。樹齢10年、平均樹高3m。310本。いろんな人たちが観に来ました。

姫路市御着城を中心に町興しを続けるHさん。大河ドラマ「軍師官兵衛」でメグスリノキが話題になった頃でした。ご自宅や「播磨灘物語」に出て来る広峯神社に、ここから贈った同年代の苗木が育っています。

埼玉県秩父市・慈眼寺のご住職。古来、目にゆかりのあるお寺で、地域の檀家・参拝の方々にメグスリノキのお茶を振る舞われてきたといいます。農園に来られたのを契機にお付き合いが始まりました。

幸い、この苗木の行き先は近く栃木県佐野市。芽吹く頃になったらご機嫌伺いに行くから、元気そうな葉を広げて待っててくれ。 (ゆ)

by フジグリーン・メグ
スリノキネット


 
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# by megusurinoki-net | 2017-02-26 16:28 | メグスリノキ | Comments(0)  

イノシシお断り

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ネットを二重に囲って壁を作りました。イノシシから苗木を守るためです。
当分はこれで安心ですが、油断は出来ません。ネットの下を掘り、そこから進入することもあるからです。

連中はもっぱら子連れ(集団)で行動します。枯れた大木の根元を掘り起こし、あるいは大きな石さえ転がして地中の虫を漁ります。冬眠中の蛇も餌食になるとか。凄まじい馬力、いやシシ力。

このあたりで被害が目立つようになったのは、ここ数年のこと。駆除も焼け石に水といったところか、殖えすぎて山の中だけでは餌が不足し、里の作物を荒らし始めたとみて間違いありません。深刻なのは、こうした事態の根本的な解決策が見出せないことです。

高齢化、後継者不足に加え、サル、シシ、クマの獣害に怯える山里。自然に包まれた優しく豊かな暮らしが続いていいはずなのに......。起死回生の一手はないのか。ああ、頭いてえ。(ゆ)

 by フジグリーン・メグ
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# by megusurinoki-net | 2017-01-29 22:12 | メグスリノキ | Comments(0)  

玉三郎の総括

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この農園の主でござる。名は「とちぎの玉三郎」。なかなかの姿でござろう。歳は60を幾つか超えたか、自分でも分からぬ。樹高8mを超え、見晴らしは誠によい。

生まれは群馬・利根郡みなかみ町の山奥。青木沢といったか、そこの長(おさ)の一声でここに来た。小生を掘り包み、はろばろ120㎞、この地に移植したのは当農園の一代目ミノル爺。毎朝早くから働き小生の根元によく小便をしたが、肥やしもたっぷり吸わせてくれた。

交流は短かったが、青木沢の長とミノル爺は互いによく飲み、理解し、打ち解けた。その二人も鬼籍に入り6-7年たつ。今も天空で杯を交わしているだろうか。

今年も残すところ一日。瞬く間に過ぎたかと驚く一年であった。とにかくイノシシに悩まされた一年であった。作物は食い荒らされ、田の畦道は掘り蹴散らされた。虫も蛇も喰われた。このあたりでは夕方になると、子どもを外で遊ばせなくなった。冗談ではなく、このまま放置すれば農家は野菜を作らなくなる、そんな気がしてしまう。

それでも、農園には小生らの子や孫が元気に育っている。頼もしい限りだ。子や孫はネットで囲われ、イノシシから守られている。二代目のユウ、お春、つーちゃんが、何だかんだ頑張っている。ユウは春先、枝打ちの最中、ナタで親指の爪を落としちまったが、夏には草刈り機を回し始めた。お春は常に陰日向なく働き、子や孫はじめ農園のおっかさんだ。そしてつーちゃんは植え替えの名人。幼い子どもたちが立派に育つ環境をうまく作ってくれる。

小生がここに来て22年、我々はこれからも、ユウさんたちの役に立てると思っている。なんてったって黒田官兵衛以来の、目薬の木よ。ここで葉を広げ、精一杯の陽光を受け、年輪を重ねる。青木沢の長とミノル爺のご縁で、農園は二代目、三代目が育っている。

ユウさん、玉三郎はおめえと飲みてえんだ。 (ゆ)


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# by megusurinoki-net | 2016-12-31 01:12 | メグスリノキ | Comments(0)  

山戸惑う

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11月の積雪は都心では54年ぶりとか。メグスリノキの農園も一人前に雪景色となりました。紅葉と雪のコラボが撮れるかなと思いきや、素人の腕ではまあこんなもんか。

それにしても今年のメグスリノキの紅葉は冴えません。いつもなら淡く鮮やかな紅葉が畑全体を包むのですが、今年はてっぺんだけ葉が落ちたり、下の方は今も緑のままだったり。

来週はもう師走。木枯らしが吹いて、このまま落葉するしかないのか。なんだか切ない。山笑う春、山滴(したた)る夏、そして山装(よそお)う秋。なのにこれでは装うどころか山戸惑(とまど)う晩秋になってしまいそうです。今年だけのことならいいけど..... (ゆ)

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# by megusurinoki-net | 2016-11-27 10:17 | メグスリノキ | Comments(0)  

優しきゴッホ

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優しそうなゴッホです。
久しぶりに上野の東京都美術館に行きました。「ゴッホとゴーギャン展」。ピサロ、モネ、ロートレックもありましたが、一番気に入ったのがこれでした。

明るい色彩、軽やかな筆致。ちょっと見開いたような目線に親しみを感じて、思わず見入ってしまったのです。40点近くあるといわれる自画像の中で、おそらく最も気分よく、安定した精神状態で描かれたものと思います。ゴッホ34歳。耳切り事件のあとピストル自殺する3年前でした。

これを描いたあとゴーギャンとの共同生活に入り、そして分かれ、精神に異常をきたしながら次々と代表作を描き続けました。それにしてもなんと濃密な数年間。晩年に近づくにしたがって絵はますます色彩鮮やかに、クリアになっていくように感じます。

この「パイプと麦わら帽子の自画像」は、嵐の前の静けさなのかもしれません。もう一度、ゆっくり観てみたいな。 (ゆ)

 by フジグリーン・メグ
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# by megusurinoki-net | 2016-10-31 13:15 | コラム | Comments(1)